冬のお客さま①

 冬の山奥。小さな我が家は雪に埋まりそうです。この季節はひたす耐えるのみ。じっと黙って冬が去るのを待つ。そんな感じです。

 唯一の楽しみは、時々やってくるお客さま。先日、こんもり積もった雪の庭になにやら忙しい気配。

 え? なに? あわてて窓の外を見ると、なんとエゾリスが! たたたたっ!と音が聞こえそうな早さで、桂の樹にヒョィとつかまり、こちらを見てキョトン?と思ったらもう次の瞬間には、しっぽをシャッ!と動かし、あっというまに去っていきました。

 時間にすると、ほんの数秒だったと思います。でも、可愛い余韻が残っていました。

 ここに来て初めてのお客さまだね。

 寒い朝にもかかわらず家人共々ほっこりと優しい気分になりました。

 それにしても、しっぽが見事でした。思わず手触りを想像したほどです。ふかふか? いえいえ、たぶんごわごわ? 冬の地を走りぬくには、優しいだけの毛並みでは無理でしょうからね。冬はまだまだ長い。元気でね。