冬のお客さま③

 だれかに似ている。でもそれが誰なのか思い出せない。

 頻繁に訪れるカケスを眺めつつ、ついにしびれを切らし、野鳥図鑑を開いてみました。

 あぁ! またしても己の鈍さにめまいがする思い。

 そこには、いともあっさり答えが出ていました。

 「スズメ目カラス科」

 え、カラス? 

 だれかに似ているその誰かとは、まさしくカラスだったのです!

   もっと早く調べるべきだった。そうすればこんなに長い時間悩まずにすんだものを。やはり物事の軽重にかかわらず、億劫がってはいけないと反省。時間を無駄にしてしまった感がぼんやりと重い。

 

 初めてここでカケスをみた時、なんて綺麗で大きな鳥なんだと感激した引っ越し当時。しかし今では印象が180度変わりました。カケスは目が鋭い上にかなり貪欲。私はひそかに「カケス大王さま」と呼んでいます。そして時々「キミが長居をすると他の鳥たちが困ってるんだよねー」とガラッと窓を開けては、彼を驚かせています。

 しかし最近は、逃げない! 窓を開けたくらいでは知らんふり。完全になめられています。

 このふてぶてしさは、まさにカラス!

 ムッとしながら次の策・・・でも待てよ、カラスもカケスも野生で生きることは大変なこと。真冬であれば尚のこと。

 あぁでも、キミがいると他の鳥たちが・・・ 

    またしてもジレンマは続きそうです。