ガーベラ

 あれから4年。

 最後の教え子となった元生徒たちが、高校を卒業します。

 月日の流れとは本当に早いものです。

 

 あの日、最後に過ごした中学校の教室で、2組の子どもたち一人ひとりからプレゼントされたガーベラ。1日でも長くもたせようと、自宅では何度も水切りをして、その度にありがとうと、ごめんなさいがゴチャ混ぜになり、気が遠くなった・・・。

 途中で去ってしまった私に、どこまでも優しく寛大だった生徒たち。人は年齢ではないのだと思い知らされました。 

 ガーベラを見ると、今でも切ない気持ちがどこからともなく迫ってきます。

 

 今回出版する絵本は、当初、高校卒業のお祝いに何かエールを送れるような、そんな作品を考えていました。

 が、しかし、途中で教職を離れた私が、立派な彼、彼女たちに今更なにを? それはあまりにもおこがましい・・・

 しかも退職後、体調は回復したものの、描いた作品はことごとくコンペに落選し、落ち込む日々。だったらもう自分の今描きたい作品を思い切り描いて贈ろうと思い、気持ちを新たにしました。絵本「きょうのおやつは」は、そのような想いの中で完成しました。

 ご卒業、心からおめでとうございます。

 そして、今も本当にありがとう!