あっと言う間に季節が変わってゆく。
山は早くも紅葉が始まり、風が冷たい。毎年想うのだけれど、ここの秋は本当に短い。すでに初冬の気配がする。
季節が急激に変化したのと同時に、我が家に来ていた雀の姿が見えなくなった。
子育ての間、毎日のように来ていた雀。1日に数回お米を撒いては、その愛らしい姿に私は夢中になった。
雀はちょっとした人間の動きにも敏感で、こちらが少しでも動こうものなら、パッと飛び立ってしまう。お米を食べる時も、決して長居はしない。鳩とはえらい違いである。
もっとゆっくり食べていいんだよー!
窓越しに、何度声をかけたことか。
雀はお米をついばみながら、しきりに頭を動かし、よく動く。その仕草が切ないくらいだ。
子育てが終わり、我が家に来ていた雀はどこにいるのだろう。もう姿を見ることはできないのだろうか。
今は、雀の代わりに、鳩がお米を食べに来ている。
鳩には申し訳ないが、私はどうやら小さな鳥が好きらしい。
雀のお宿はどこにあるのか。
できれば、そっとお米を届けに行きたい。