季節が大きく動いている。まるで生き物のように。
山奥は冬を待つ準備をしている。秋の色を日に日に落とし、息をひそめ、エネルギーを蓄えている。
我が家の庭に、ふたたび雀が戻ってきた。
うれしい。
本当に嬉しい。素直に嬉しい。
10月はちょっとしたことから何度も泥沼にはまった。自分では気をつけていたつもりだが、気持ちのあちこちにスキがあったのだと思う。
がっかりした。
自分に呆れた。いとも簡単に折れる心の弱さ。
いったいこの脆弱さは何なのだと。
とりあえず、最低限のことだけはこなした。人に会い、パソコンに向かい、イラストを描き、家事をこなし、泥につかりながらも何とか日々をやり過ごした。
ずいぶんと長い時間に感じられた。
そんな時だった。雀がふたたび庭に降りてきた。
天使かと思った。
ふと我が身を振り返った。一瞬のことだった。
周りには、ありがたいもので満ち満ちていた。
秋と冬の間。今こうしていられることに、ただただ感謝しかない。