書店へ

 2月が終わった。オーディオブックが大活躍だった。その反動ではないのだが、書店に行きたくて、

久しぶりにバスに乗った。珍しく外は気温がプラス。猛烈な勢いで雪が溶け出していた。

 駅前の紀伊国屋書店。こみ上げるワクワクをあえて抑えつつ、左から右へと平積みの本を眺める。

「え?」

突如、帯に目が止まった。

 

「國分先生、まさか哲学書で涙するとは思いませんでした・・・」若林正恭(芸人)

 

 えー? なになに? 哲学書で泣ける?

 迷わず手に取る。タイトルの「暇と退屈の倫理学」(國分功一郎)にも興味津々。

 前書きを5行くらい読む。即買い!

 他には、「80歳の壁」(和田秀樹)、「ヴェニスの商人」(シェークスピア)の2冊を購入。

「80歳の壁」は実家の父に送る前に自分で読みたい。そして、「ヴェニスの商人」は、密かな

マイブームのシェークスピア再読。

 

 やっぱり本はいいなぁ。

 ため息みたいに、しみじみ思う。

 読みたい本があるというのは、私にとって幸せなことだ。

 帰りのバスの中、まずは「80歳の壁」。

 サクサク読めて、時々ふふっと笑える和田先生の説得力と文章力。素晴らしい。

これなら父も喜ぶだろう。明日、さっそく送ることにする

 

 冬の壁もだんだん薄くなってきた。

 バスを降りて、うすい青空を見上げる。

 流れる風に、なつかしいような気持ちで春を感じた。