秋の日に

カレンダーを見て、少しぼんやりする。

あと二ヶ月? 今年も終わる?

まいったなぁ、というより、どうしようという感じ。

 

数日前、静岡に行ってきた。富士山が見たい。芹沢銈介の美術館に行きたい。

その二つの想いはかなり発酵し、もう行くしかないところまで来ていた。

珍しく腰を上げ、飛行機に乗った。

 

ところ変われば、である。

期待と現実の乖離に少々落胆しつつ、水に驚く。

美味しすぎる!

マグロより、桜エビより、しらすより、黒はんぺんより、圧倒的に水が美味しい! 居酒屋さんのお水も、ペットボトルのお水まで、本当に美味しい!静岡のお茶が美味しいのは、茶葉というより、この水の問題なのでは?と思った。

 

日本平で富士山を眺め、芹沢銈介美術館に行き、その後は、何となく静岡にいる、という感じで、ゆるゆる過ごした。これなら2泊でもよかったかも、と思ったくらい。

久しぶりの旅行であるのに、うすい絵の具のような時間。

なんだろうなぁ、と考えつつ、でも、知らないところへ出かけるって、いいな、と思った。

自分をちょっと俯瞰したり、日頃の物差しを点検してみたり、非日常の良さはこういうところにあるのかもしれないと。

 

来年はどこに行こうか、と頭をかすめる。

再びカレンダーを眺め、また少しぼんやりする。

こんな秋の日も、まぁよしとしよう。