「人生は本当に山あり谷あり。坂もいっぱいありますが、その中にマサカという坂があります」
そうおっしゃったのは、瀬戸内寂聴さんだった。
その「マサカ」が、マサカ自分にもやってくるとは!(笑)
ここでの詳細は避けるとして、私の頭の中は、その瞬間、真っ白になった。同時に、「起きたことは仕方がない」と諦めの気持ちにもなった。
しかし、である。
重なる時というのは、なぜにこうもいろんなことが重なるのか!本当に不思議でならない。
8月下旬から9月の初め。
振り返ると、やはり私は相当混乱していたのだと思う。いやはや小さな自分。そして何より、いかに危機感のない生活を送ってきたことか。事の次第を思い返しながら、我ながらゾッとした。
そんな秋の始まりに、
「災い転じて福となる」
このありがたい諺が、どれだけ力になってくれたことか。今の私にとって、これに勝る言葉はない。
きっと、後になれば笑い話だ。いや、笑い話にしなければダメだ。
そのためには、同じ失敗を2度と繰り返してはいけない。
「マサカ」をこの先の「福」に変えられるよう、私はようやく気を取り直した。