
1月の雪の少なさに、そして、春を予感する温かさに、私は少しだけ期待した。でも、このまま終わるはずがない。半ば諦めに近い確信。
と思っていたら、やはりこのドカ雪である。
ご依頼を受けている仕事の合間に、つい外を見てしまう。
豪快すぎる大雪に、薄いため息。
スコップで深く深く雪を掘っていくと、その奥のわずかな青白さに、不気味さを感じることがある。雪は美しい。けれども、恐ろしい。
さて、カレンダーは2月である。
今年は3日が立春だ。節分が2日であることに違和感を覚え、ついでに、立春の、「春」の1文字に、掠れたような苛立ちを感じる。
この景色の、一体どこが春なのだ?
長い冬は本当に長い。
そして、冬が苦手な私は、油断していると気持ちがすぐに落ちる。
気持ちが落ちてプラスに働くものは何一つない。
こういう時こそ元気が大事。カラ元気でいい。フリだけでもいい。とにかく笑うこと。
雪に負けないように、私は、またカモ汁を作った。
元気が出るかもー!
ここで笑う。
その調子。
くだらなくていい。バカバカしくていい。形が大事。
熱々のカモ汁をいただきながら、私はまたしても外を見る。
そして、しっかりと心に呟く。
負けない。
口角をギュッと上げる。
カモ汁の効果は絶大だ。