私は洗濯機をこよなく愛している。
「洗濯機くん、今日もよろしくね」
使う前に、必ず話しかけ、洗濯が終われば、
「洗濯機くん、今日もありがとう。大好きだよ」
と洗濯機のひんやりした本体を抱きしめる。
おそらく世界中探しても、洗濯機に毎日話しかけている人間は、私だけだ。
さて、その洗濯機くんが、買って2年で故障した。
そんなバカな、と思った。こんなに大事にしているのに、2年で?
いや、何かの間違いに違いない。
しかし、乾燥を何度繰り返しても、スタートして約20分くらい経つと、グォン、グォン
グォンと異常な音がする。
使い過ぎか?と一瞬思ったけれど、それはどう考えてもおかしい話。結構なお値段だっ
たのだ。2年で故障はいくらなんでも早すぎる。
と言うわけで、メーカーに電話をかけ、修理に来ていただくことになった。
当日は朝から大忙し。洗濯機を置いてある洗面所の大掛かりな掃除である。
普段はなかなか手が回らず、放置していた諸々・・・。こんな時でもなければ、念入りな大掃は
やらない。
担当の方が到着したのは午前10時20分。
時間がかかるだろうなぁ、と思ってはいたが、本当に時間がかかった。終わったのは
午後7時。8時間労働など、とっくに超えている。
修理をしてくださった方は、プロ意識が高く、人柄も素晴らしく良い方だった。
それにしても、洗濯機は直していただいたものの、また2年くらいして同じ故障は嫌だなぁ、
と思った。素人考えであるが、おそらくは設計上どこかにまずい点があるのだと思う。
いろんな機能がついているせいで、肝心な部分が脆弱なのだと思う。
私のようなユーザーには、使わない機能が多すぎる。洗濯と乾燥ができれば、それでいいのに
と思っているのは、多分、私だけではないと思う。
そこでハタと思った。
作品も同じではないのか、と。
足し算思考も大切だが、引き算を考えてみることも重要なのでは、と。
何事もそうだと思うが、「これだけは本筋から外れてはいけない」そういうものがある。
洗う、乾燥する。
メーカーさんには、そこを一番大事にしてほしい。
そう思いながら、
「洗濯機くん、今日もよろしくね」
私は声をかけている。
